@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00004599, author = {大川, 奈菜子 and OKAWA, Nanako}, month = {2023-04-12, 2023-04-12}, note = {令和4年度(2022年度), application/pdf, ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)は、下垂体からゴナドトロピンを放出させる神経ペプチドであり、脊椎動物の生殖機能の重要な調節因子である。また、GnRHは神経修飾因子として脳の各所や嗅上皮などの活動の調節を行っていると考えられている。以前の研究で、カタユウレイボヤ幼生において、GnRHをコードするgnrh2遺伝子が脊椎動物の後脳・脊髄の相同器官である運動神経節と神経索で発現し、その受容体が筋肉細胞で発現していることが明らかにされた。ホヤ幼生は生殖活動とは無関係な発生段階であるため、GnRHの新奇生理機能が推測された。本研究では、ホヤ幼生におけるGnRHおよびgnrh2発現細胞の生理機能を明らかにすることを目的として、gnrh2を発現する細胞を同定し、蛍光Ca2+センサータンパク質を用いて、これらの細胞の活動をリアルタイムで可視化した。その結果、(1)gnrh2を発現する特定のコリン作動性ニューロンが尾芽胚期に周期的な活動を示す、(2)gnrh2を発現する尾部神経索のグリア上衣細胞で幼生の遊泳運動や眼点への光刺激と連動したCa2+濃度変化が起こる、という2つの新しい現象を発見した。運動に伴うグリア細胞の活動は過去に知られていない現象であるため、この現象のしくみと生理機能を明らかにすることを目的として、光活性化イオンチャネルを用いた光遺伝学的手法とカルシウムイメージングを併用し、運動神経節のニューロンの活動とグリア上衣細胞の活動の相関性を解析した。その結果、コリン作動性ニューロンを活性化した後、グリア上衣細胞内のCa2+濃度が上昇した。また、単一細胞トランスクリプトーム解析の結果、ニコチン性アセチルコリン受容体をはじめとする複数種類の神経伝達物質受容体がグリア上衣細胞に発現していることが明らかになった。これらの結果より、ホヤ幼生において、コリン作動性ニューロンからの情報をグリア上衣細胞が受け取り、相互作用していることが示唆された。以上、本研究では、gnrh2発現細胞の解析を通して、ホヤ幼生のいくつかのニューロンのユニークな性状を明らかにするとともに、グリア細胞の活動およびニューロンとの相互作用に関する新たな知見を得た。脊椎動物においても、グリア細胞がニューロンと情報交換を行い、脳機能に重要な役割をもつことが明らかになりつつあるが、詳細は未解明である。本研究では、ホヤ幼生において、ニューロンだけでなく、グリア細胞が神経や筋肉の活動の制御に能動的に関与している可能性が示され、グリア細胞の機能と役割の理解に貢献することが期待される。}, school = {甲南大学}, title = {ホヤ幼生におけるGnRH神経系とグリア上衣細胞の機能解析}, year = {}, yomi = {オオカワ, ナナコ} }