@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00003871, author = {宮﨑, 洋 and MIYAZAKI, Hiroshi}, month = {2021-04-16, 2021-04-16}, note = {令和2年度(2020年度), 化学物質の皮膚感作性を正確かつ迅速に評価することが重要な課題となっている。従来、皮膚感作性は動物を用いて評価されてきたが、3R (Replacement、Reduction、 Refinement) の原則が提言されて以降、有害性発現経路の各段階 (Key Event: KE) を模倣したin vitro試験法での評価へと移行しつつある。しかし、既存のin vitro試験法には、適用範囲が狭い点や予測精度が低い点などの課題が多数存在し、信頼性のある予測を行うためには複数の試験法を組み合わせることが必須となっている。さらに、既存のin vitro試験法は、感作性の有無の予測のみに重点をおいており、詳細な強度やメカニズムといった情報が得られないため、研究・開発フェーズへの適用が難しい点も課題であった。このことは、アレルギーの発症を抑えつつ、化学物質の恩恵を享受できる未来社会の実現には大きな障壁となる。そこで、本論文では既存の皮膚感作性試験法の課題を克服した新規試験法を有害性発現経路の各イベントに対応する形で構築し、細胞レベルや分子レベルで簡便かつ詳細に感作性を測定できる分析法の確立を行った。 まず、動物を用いた皮膚感作性試験法(LLNA:DAE)を用いて、10種類の天然化合物の感作性を評価し、天然化合物に関する感作性の新たな知見を得た。次に、KE3の樹状細胞の活性化に注目して、細胞を用いたin vitro試験法にコラーゲンビトリゲル膜を組み合わせた試験法を構築し、従来のin vitro試験法の課題であった難水溶性物質にも適用可能であることを示した。さらに、KE2の表皮角化細胞での炎症応答への適用を目標に、外的因子に応答して構造を変化させ、それに伴って蛍光応答も変化する人工金属タンパク質モデルを構築した。この知見により、細胞を用いずに分子レベルで感作性の評価を行うシステムが構築できる可能性を示した。最後に、タンパク質と感作性物質の最初期の結合(KE1)を模倣して、ペプチドをポリスチレン樹脂と磁性ビーズの2種類の固相担体に担持させた新規試験法を確立し、その有用性を実証した。さらに、分光光度法による簡便評価法と質量分析による詳細解析法の2種類の評価手法を確立することで、適用範囲の広い汎用性のある測定法の構築に成功した。 以上より、既存のin vitro試験法の課題を克服した新規試験法の開発に成功した。また、ペプチドを利用することで、KE1だけでなくKE2まで模倣した試験法を構築できる可能性を見出し、これまで実現できなかったペプチドを用いたin vitro試験法のみでのReplacementの実現が期待できることを示した。本論文で開発した試験法は、最終製品の評価から開発初期の研究段階での評価、また品質管理などのスクリーニングなど、化粧品分野のみならず医薬、化成品分野などへの適用が期待される。}, school = {甲南大学}, title = {皮膚感作性試験における有害性発現経路に基づいた動物実験代替法の構築}, year = {}, yomi = {ミヤザキ, ヒロシ} }