@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00003870, author = {尾崎, 誠 and OZAKI, Makoto}, month = {2021-04-16, 2021-04-16}, note = {令和2年度(2020年度), application/pdf, 近年、様々な無機物沈殿ペプチドが開発され、ペプチド化学と無機化学を融合した材料工学分野への応用を指向した研究が注目されている。現在のペプチドを用いたミネラリゼーション研究においては、自己集合化により作製したペプチド集合体を無機物沈殿の鋳型として用い、無機ナノ構造体のサイズや形状の制御を試みている。しかしながら、ペプチドのナノレベルでの自己集合化の制御が難しいことに加え、一つの構造体につき一種類の無機物の沈殿しかできないことが問題となっている。そのため、高機能性の無機ナノ構造体を作製するためには複数の無機物のミネラリゼーションを達成することが不可欠であり、新たな作製手法が求められている。また、細胞内での応用を指向した場合、合成した無機ナノ粒子を細胞内に導入する方法では細胞膜に損傷を与えるほか、細胞内で凝集が生じて目的の機能が発現しないといった問題点がある。細胞内で無機ナノ粒子を直接合成できればこの問題点を解決することができ、合成した無機ナノ粒子を利用した応用展開が期待できる。そこで、本研究では以上の問題点を解決するために、人工ペプチドを用いたミネラリゼーションによる無機ナノ粒子作製法について一連の手法の確立に取り組んだ。 まず、ペプチドを用いた無機物のミネラリゼーションの有用性評価では、Auの還元を題材に、それに関与するTrp残基の数を変化させることで、Auの還元速度を制御できることが示された。また、還元剤や分散保護剤を使用せずに高分散性および高触媒活性を有するAuナノ粒子を作製できることも示した。 次に、核酸とペプチドを用いた無機物の精密沈殿制御法の確立を行った。具体的にはDNA上に無機物沈殿ペプチドを配置した複合体をテンプレートとすることで、DNA上の特定部位に複数種の無機物を位置特異的に沈殿させる手法を構築した。また、DNAに結合させる無機物沈殿ペプチドの数を変化させることで無機ナノ構造体中の元素含有比の制御、それに伴う機能の制御が可能であることを示した。 最後に、細胞膜透過能と金属イオン結合能を有するペプチドを構築し、それに金属イオンを結合させて細胞内に導入して、無機ナノ粒子を直接合成する手法を確立した。これにより従来法では作製することができない金属イオンの濃度でのナノ粒子の作製や、形状の制御が可能となった。 本研究を通して、ペプチドを用いたミネラリゼーションを題材とし、DNAや細胞内環境を利用することで、無機ナノ粒子作製法を確立することができた。本研究はペプチド科学における新しい概念を提示しており、ナノからバイオまで幅広い分野への応用が期待される。}, school = {甲南大学}, title = {人工ペプチドを用いたミネラリゼーションによる無機ナノ粒子作製法の確立}, year = {}, yomi = {オザキ, マコト} }