@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00003565, author = {中村, 翔一 and Nakamura, Shoichi}, month = {2021-03-31, 2020-05-13, 2020-05-13}, note = {令和元年度(2019年度), application/pdf, 多細胞動物において,生殖細胞は遺伝情報を次世代に伝える重要な細胞である。しかし,生殖細胞中で生殖細胞の発生,分化に必要な遺伝子の発現が活性化される機構には不明な点が多い。先行研究から,ショウジョウバエのMamo (maternal factor required for meiosis) タンパク質はBTB/POZドメインとC2H2型Znフィンガードメインをもつ転写制御因子で,この動物の始原生殖細胞である極細胞中における生殖細胞性遺伝子vasa (vas) 遺伝子の発現活性化に必要であることが明らかにされている。また,MamoのZnフィンガードメインがvas遺伝子座の特定の塩基配列に結合すること,Znフィンガードメインをもつが,N末端のBTB/POZドメインを欠いた断片化タンパク質 (MamoAF) がvas遺伝子の発現を強く活性化することが示されている。 本研究では,極細胞中におけるvas遺伝子の発現の活性化機構を明らかにすることを目的として,Mamoの性質を解析した。その結果,MamoAFに似た構造をもつShort Mamoタンパク質をコードするmRNAが極細胞中で特異的に発現すること,さらに,MamoAFが極細胞中でvas遺伝子の発現を強く促進することが分かった。これらの結果から,Short Mamoがvas遺伝子に対する強い活性化因子であることが明らかになった。そこで,vas遺伝子の発現活性化の分子機構を解析するために,MamoAFに注目して解析を進めた。MamoAFと遺伝学的に相互作用する遺伝子を探索する実験系を構築し,複眼の表現型を指標としたスクリーニングを行った。その結果,MamoAFの遺伝学的相互作用因子として,転写活性化因子OvoB,基本転写因子TBPのホモログであるTRF2を同定した。そこで,生殖細胞中におけるこれらの因子の機能を解析した。その結果,OvoBがMamoAFによるvas遺伝子の発現活性化に必要であること,極細胞中において,MamoAFとOvoBが共同してvas遺伝子の発現を促進することが明らかとなった。また,Trf2 mRNAが発生過程を通して生殖細胞中で連続的に発現すること,TRF2が極細胞中におけるvas遺伝子の発現活性化に関与すること,MamoAFによる異所的なvas遺伝子の発現活性化にTRF2が必要であることが明らかとなった。本研究によって,MamoAFを中心とした制御ネットワークに転写活性化因子OvoB,基本転写因子ホモログTRF2が含まれること,このネットワークが極細胞中のvas遺伝子の発現活性化に重要であることが明らかになった。}, school = {甲南大学}, title = {ショウジョウバエ始原生殖細胞中におけるvasa遺伝子の発現活性化機構の解析}, year = {}, yomi = {ナカムラ, ショウイチ} }