@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00003391, author = {浜本, 洋子 and Hamamoto, Yoko}, month = {2020-03-20, 2019-06-24}, note = {平成30年度(2018年度), application/pdf, 原生生物ラビリンチュラ類は,分解酵素を分泌すること,陸源有機物が豊富な河口域に多く生息することなどから,分解者として認識されてきた。また,沿岸域から外洋,熱帯から極域,表層から深海まで,あらゆる海洋環境中に分布していることが知られているが,具体的な栄養源や生態学的な影響力については,明らかになっていなかった。そこで本研究では,まず,海洋の一次生産者である植物プランクトンのうち,特に大きなバイオマスをもつ珪藻類を栄養摂取の対象としている可能性について検討した。系統的に多様なラビリンチュラ類と珪藻の二員培養を行った結果,Aplanochytrium類は外質ネットで生きている珪藻に付着し,積極的に栄養摂取する様子が観察され,未認識の生食連鎖が存在することが明らかとなった。また,栄養摂取の過程でAplanochytrium類は珪藻と集合体を形成し,動物プランクトンが捕食できる大きさとなり得るため,食物網の中で効率よくエネルギー転送をしていることが予想された。次に,定量PCR法によって大阪湾に生息するAplano¬chytrium類の細胞密度を,季節ごとに測定した結果,1年間の平均は湾奥で13,000 cells/L,湾央で2,100 cells/Lであった。さらに,これらの値から炭素に換算した単位面積あたりの年間生産量を試算し,瀬戸内海で示されている炭素循環に適用することで,Aplano¬chytrium類を介する経路の影響力を評価した。その結果,真核生物に消費される植物プランクトンのうち,湾奥では19.0%,湾央では6.1%をAplano¬chytrium類が消費していること,また動物プランクトンが消費する炭素のうち,湾奥では12.6%,湾央では3.6%をAplanochytrium類が供給していると推定され,その生態学的な影響力は1属の生物として大きいことが示された。さらに,環境DNAに対する18S rDNAの網羅的解読によるラビリンチュラ類の群集構造解析では,ラビリンチュラ類全体に対するAplanochytrium類と同定された配列の割合は,大阪湾では約70%を占め,全球的な環境DNAのデータベースでも,20%を超えており,環境中の主要な系統群であることが示された。以上の結果から,これまで分解者としてひとまとめに認識されてきたラビリンチュラ類には,消費者としての役割をもつものが存在し,海洋生態系に大きな影響を与えていることが示唆された。}, school = {甲南大学}, title = {海洋環境におけるラビリンチュラ類の生態学的役割とその影響に関する研究}, year = {}, yomi = {ハマモト, ヨウコ} }