@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00002442, author = {柳川, 大樹 and Yanagawa, Daiki}, month = {2017-06-12, 2017-06-12}, note = {平成28年度(2016年度), マイコトキシンの一つフモニシンB1(FB1)を植物組織に処理すると、細胞死が観察される。また、FB1処理によって、スフィンゴ脂質代謝産物である遊離の長鎖塩基(LCB)が大量に蓄積することも知られている。一方植物は、LCBの蓄積を回避するために、LCBをリン酸化する巧みな代謝調節を働かせている。しかし、この代謝調節のメカニズムには未知の点が残されている。遊離のLCBは、LCBキナーゼ(LCBK)によってLCB-1-リン酸(LCBP)に変換される。一方、LCBP はLCBPホスファターゼ(SPP)により脱リン酸化されてLCBにリサイクルされるか、もしくはLCBPリアーゼ(DPL)によりC16アルデヒドとホスホエタノールアミンに分解される。本研究では、モデル植物であるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)を用いて、FB1で誘導される細胞死のレベルと、LCBおよびLCBPの量的関係性を、LCBのリン酸化代謝経路の制御メカニズムの観点から明らかにすることを目指し解析を行った。本研究では、シロイヌナズナLCBK1遺伝子に関する過剰発現株(LCBK1-OX1、LCBK1-OX2)とノックダウン株(LCBK1-KD1、LCBK1-KD2)を作製し、また、LCBPの分解系に関わるノックアウト株(dpl1 、spp1)を用いて、FB1処理した際の細胞死の判定に基づく表現型解析と、LC-MS/MSによるLCBおよびLCBPの定量分析を行った。まず、シロイヌナズナ実生において、LCBK1-OX1は、野生株に比べてFB1に耐性を示し、LCBK1-KD1では感受性を示すことを確認した。さらに、FB1で処理したロゼット葉において、LCBK1-KD1および dpl1は、野生株に比べて死細胞が多く観察された。一方、LCBK1-OX1および spp1ではほとんど死細胞が観察されなかった。LC-MS/MS解析において、LCBK1-KD1および dpl1では野生株と比較して、主にジヒドロスフィンゴシン(d18:0)が増加することが分かった。また、本研究では、植物に存在する微量LCBP分子種をLC-MS/MSによって検出する方法を開発した。この方法によって、LCBPはspp1およびdpl1において、野生株と比較して増加し、LCBK1-KD1では減少することを明らかにした。これらの結果から、FB1によって誘導される細胞死は、d18:0の蓄積と相関し、LCBPの代謝経路は、FB1処理におけるLCBの蓄積を調節し、細胞死を制御するのに不可欠であることが示唆された。さらに、LCBK1によるLCBのリン酸化は、FB1処理におけるLCBPの代謝動態に影響を与えることが示唆された。}, school = {甲南大学}, title = {シロイヌナズナのLCBキナーゼ1(LCBK1)におけるスフィンゴ脂質の代謝動態の解析}, year = {}, yomi = {ヤナガワ, ダイキ} }