@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00002439, author = {宇治澤, 知代 and Ujisawa, Tomoyo}, month = {2017-06-12, 2017-06-12}, note = {平成28年(2016年度), 温度は生物の生存にとって欠かせない環境情報である。生物は、めまぐるしく変化する環境温度下において生存するために、複雑な体内メカニズムを巧みに働かせている。しかし、この分子制御メカニズムには未知の点が残されている。本研究では、シンプルなモデル生物である線虫Caenorhabditis elegansを用いて動物の温度応答メカニズムの解明を目指し解析を行った。動物の低温に対する応答メカニズムを解析するための実験系として、C. elegansの低温耐性現象を見つけた。低温耐性とは、15℃で飼育された個体は2℃の低温刺激後も生存できるが、20℃や25℃で飼育された個体は2℃の低温刺激後に死滅する現象である。また、25℃飼育個体は、わずか3時間15℃に置くことで2℃の低温刺激後も生存できるようになる。本研究では、この現象を指標にして低温耐性を制御する分子生理機構と組織ネットワークの解析をおこなった。低温耐性を制御する細胞を同定するために、神経系や腸などの組織に異常をもつ変異体の低温耐性を解析したところ、感覚ニューロンで機能するcGMP依存性チャネルTAX-4の変異体において低温耐性の異常が観察された。さらに、tax-4変異体の頭部のASJ感覚ニューロンでtax-4遺伝子を発現させたところ、低温耐性の異常が回復した。これまでに、ASJ感覚ニューロンは光を感じる感覚ニューロンとして知られていた。そこで、ASJ感覚ニューロンが光だけでなく温度をも感知しているのかを、カルシウムイメージング解析を用いて調べたところ、ASJの温度に対する応答性が確認された。ASJ感覚ニューロンの光情報伝達に関わる3量体Gタンパク質経路の変異体を調べたところ、低温耐性の異常がみられた。つまり、光と温度は同じ細胞において共通の分子経路を介して情報を下流へ伝達することが示唆された。低温耐性の表現型とカルシウムイメージングによる解析から、ASJ感覚ニューロンにおいて、複数のGタンパク、グアニル酸シクラーゼ、ホスホジエステラーゼが各々共同的に機能していることが示唆された。ASJはシナプス部位からインスリンを分泌し、腸や神経系がインスリンを受容することが示唆された、さらに、インスリン情報伝達経路の下流で機能するFOXO型転写因子DAF-16による遺伝子の発現制御などを受けて全身の低温耐性が制御されることが見つかった。}, school = {甲南大学}, title = {C. elegansの低温耐性における温度情報伝達の分子制御機構}, year = {}, yomi = {ウジサワ, トモヨ} }