@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00001776, author = {厳, 向紅 and Yan, Xianghong}, month = {2016-06-15, 2016-06-15}, note = {平成27年(2015年度), 皮膚は人体最大の臓器であり、外部刺激や環境因子から生体内部を防御する上で重要な役割を担う。その皮膚老化は、外見に影響を与えるだけでなく、生体防御機構の乱れとして一連の病患を引き起こし、個人の生活の質(QOL; Quality of Life)の低下をもたらすことから、皮膚老化の進行を制御することがますます重要となっている。そこで、皮膚老化に大きく影響する要素を解明し、それぞれの要素の皮膚老化メカニズムを分子生物学的に解析することで、皮膚に対するアンチエイジング効果を持つ生体機能性成分の作用機序について理解することを目的として研究を行った。 はじめに、皮膚老化過程を経年的に調査することが被験者の個人差などを排除できる有効な調査方法であることを示し、その経年的な疫学調査から、肌理、シワ、シミの三点が皮膚の見た目の老化にとって最も重要な要素だと認めるとともに、皮膚老化の有効な指標となることを示した。 そこでまず、肌理に関わる角化細胞に対してバリア機能を高める効果があるとして知られるOpuntia ficus-indica抽出物(OFIE)の作用について検討を行った。その結果、OFIEはAhR-Nrf2-NQO1(アリール炭化水素受容体—NF-E2関連因子—NAD(P)H酸化還元酵素、キノン1)経路を活性化することで抗酸化作用を持つことが示された。さらに、OFIEがフィラグリンやロリクリンの発現をAhR依存的に増強することで皮膚バリアを保護することを示した。 さらに、ヒトの老化した真皮および若い真皮におけるマイクロRNAの発現を網羅的に比較するとともに、生体機能性成分によるマイクロRNA発現様式への影響を調べた。その結果、miRNA 34および29が、線維芽細胞の老化および細胞外マトリックスの再構築を制御する上で中心的な役割を果たし、シワの形成に関与することが明らかとなった。 最後に、角化細胞におけるメラニンの生物学的作用を明らかにするため、単純化細胞モデルを構築し、生体機能性成分を評価したところ、ナイアシンアミドおよびトリプシン阻害剤が角化細胞におけるメラニン取り込みを抑制することが示された。さらに、取り込まれたメラニンは角化細胞の細胞周期を停止させ、色素細胞の機能を抑制することが知られるDickkopf 1遺伝子の発現低下を引き起こすことが明らかとなった。 これらの結果は、皮膚老化要素に影響を与える角化細胞および線維芽細胞の働きについて新たな知見を提供するものであり、ヒトにおける皮膚老化の抑制に向けた新たな戦略を立てるうえで大きな示唆を与えている。さらに、生体機能性成分が持つ皮膚老化要素に対する有効性をより強固にサポートしている。これらの成果は、今後の新たな皮膚アンチエイジング技術の開発を通して、肌理の乱れ、シワやシミといった多くの人の皮膚老化への懸念を解消し、高齢化社会における人々のQOLの向上に資するものと期待される。}, school = {甲南大学}, title = {The studies of skin aging and anti-aging -New mechanism and efficacious biofunctional ingredients-}, year = {}, yomi = {ゲン, コウコウ} }