@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00001773, author = {河村, 浩司 and Kawamura, Koji}, month = {2016-06-15, 2016-06-15}, note = {平成27年(2015年度), バイオイメージングやバイオマーカーの検出による診断には蛍光色素が汎用されるが、そうした手法にはいくつかの問題点がある。その中でも、濃度消光の問題は一般の蛍光色素においては本質的なデメリットであり、このことが検出感度の壁となっている場合が多い。そこで、本研究では、濃度消光とは逆に凝集によって蛍光強度が劇的に増大する凝集誘起発光(AIE)色素を用いて疾患の診断を行う手法の開発を行い、その検出メカニズムを明らかにすることを目的とした。ターゲットとする疾患として、罹患者数が多く社会的影響が大きいガンとアルツハイマー病(AD)を選び、それぞれのバイオマーカーと考えられるテロメア鎖およびアミロイドβ(A)の検出を行った。 テロメア鎖に対するプローブとして、AIE色素で修飾した相補鎖DNAまたはPNAを用いたところ、どちらのプローブでも高い感度でテロメア鎖の定量が可能であることが示された。しかし、プローブがDNA の場合にはテロメア量に比例して蛍光強度が増加するのに対しPNAをプローブとした場合には、逆に濃度依存的に蛍光強度が弱くなった。これは、PNAの疎水性によりプローブ自身が凝集することで生じた強い蛍光が、二重鎖形成とともに分散して消光されたためであることを明らかにした。また、DNAプローブを用いた結果の考察から、AIE色素の周辺に分子運動を阻害するダングリングエンドまたは二重鎖が存在することが、蛍光増大の要件であることが示唆された。 次に、ADのマーカーであるAの検出を行った。プローブとして、アミロイド繊維化促進ペプチド(AFPP)にAIE色素を結合させた化合物(AIE-AFPP)を用いた。AIE-AFPPはAFPP自身と同様にAの繊維化を促進するとともに、Aと共凝集することで濃度依存的にAIEの蛍光増大が観測され、短時間で容易にAの定量が可能であることが示された。この手法によるAの検出限界は4.2 nMであり、この値はELISAには及ばないが、プローブ合成およびassayの簡便性や、測定者に高いスキルを要求しない点において優れた手法である。 本研究の結果は、AIE色素をシグナル発信部位としてもつプローブを用いることで、生体分子を高感度かつ簡便に定量可能であることを示している。また、本研究で明らかにされた蛍光増大のメカニズムは、ターゲットにあわせたプローブの分子設計と、安価・簡便・高感度・ハイスループットな検出システムの構築のための指針を与えると考えられる。}, school = {甲南大学}, title = {生体分子の簡易検出を目指した凝集誘起発光色素ラベル化プローブの開発と検出メカニズムの解明}, year = {}, yomi = {カワムラ, コウジ} }