@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00001556, author = {高松, 一彦 and Takamastu, Kazuhiko}, month = {2015-06-12, 2015-06-12}, note = {平成26年(2014年度), 薬剤候補化合物の非臨床毒性試験においては、化合物が直接的に影響を及ぼす毒性以外に、しばしば二次的な反応が生じる。その一つが、摂餌量低下による骨髄細胞領域の減少(骨髄抑制)とそれに伴う血液学的パラメーターの変化である。しかし、その抑制メカニズムは不明であり、化合物の毒性試験の際に生じる骨髄抑制が、化合物の細胞毒性作用か、あるいは摂餌量低下に起因するかを見極めるのは困難である。そこで本研究では、摂餌制限を施した動物における骨髄細胞反応のプロファイリングを行い、摂餌量低下による骨髄抑制の分子メカニズムを明らかにすることを目的とした。 まずラットにおいて、既存の報告通り2週間の摂餌制限で骨髄抑制が誘発されることを確認し、網赤血球数が減少することを新たに見出した。これまで摂餌制限下における報告が不十分であったイヌについても、4週間の摂餌制限で骨髄抑制が生じることを見出した。続いて、軽度な骨髄抑制を起こす条件で摂餌制限を施したラットあるいはイヌの骨髄由来造血前駆細胞の細胞診断(ミエログラム)、及び新たに確立したColony-Forming Units assay(CFU assay)による分化・増殖能の検査を実施した。その結果、ラット、イヌともに赤血球系の前駆細胞が摂餌制限の影響を受けて減少しやすいことがわかった。さらに、制限期間早期にはすべての分化段階の細胞が、後期には発生段階の進んだ細胞が、それぞれ影響を受けることも示唆された。 次に、摂餌制限を施したラット及びイヌの両種において、骨髄細胞内の遺伝子発現プロファイルの解析を行った(in vivo解析)。また、骨髄由来細胞株であるHL60において低栄養処置によって細胞増殖抑制を誘発し、その際の遺伝子発現プロファイルを解析した(in vitro解析)。in vivo及びin vitro両解析結果を総合的に評価したところ、摂餌制限により、細胞死実行経路に関わる遺伝子群の発現変動ならびにBcl11bの発現増加が認められた。 本研究の結果は、骨髄における赤血球系前駆細胞の減少、ならびに骨髄細胞におけるBcl11bの発現増加が、摂餌量減少による骨髄抑制を見分けるための有用な指標になる可能性を示している。今後の毒性試験において動物に摂餌量低下が認められた場合には、骨髄ミエログラムの実施と併せてCFU assayを実施し、赤血球系造血前駆細胞の障害を精査すること、ならびに骨髄細胞における遺伝子発現解析をおこなうことが求められる。}, school = {甲南大学}, title = {摂餌制限を施した動物における骨髄細胞反応の解析}, year = {}, yomi = {タカマツ, カズヒコ} }