@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00001555, author = {平, 誠司 and Hira, Seiji}, month = {2016-03-31, 2015-06-12}, note = {平成26年(2014年度), 多細胞動物の体は体細胞系列と生殖細胞系列の細胞に大別される。生殖細胞は種の連続性を担う重要な細胞である。これまでに,様々な動物を材料として,生殖細胞の形成機構の研究が進められてきた。しかし,生殖細胞中で生殖細胞の発生,分化に必要な遺伝子が活性化される分子機構には不明な点が多く残されている。ショウジョウバエにおいて,初期胚の生殖質に含まれる母性因子が始原生殖細胞 (極細胞) に取り込まれ,極細胞の形成や分化に必要であることが示されている。母性因子MamoはBTB/POZドメインとC2H2型Znフィンガードメインをもつクロマチン制御因子で,極細胞に供給され,極細胞の分化に関与する母性因子として同定された。先行研究から,Mamoが生殖細胞特異的に発現する遺伝子であるvasa遺伝子の発現制御に関与することが予想されたが,その制御機構は不明であった。  申請者は,生殖細胞中における遺伝子発現の活性化機構を明らかにすることを目的として,まずMamoタンパク質の生化学的な性質を解析した。その結果,Mamoタンパク質がクロマチンに結合すること,Mamoタンパク質のC2H2型Znフィンガードメイン (MZD) が特定の塩基配列に直接結合すること,さらにMZDの結合に必要なコンセンサス配列を明らかにした。次に,vasa遺伝子の発現に対するMamoの影響を調べた。その結果,Mamoを欠いた極細胞中では,vasa遺伝子の発現が低下すること,Mamo及びMZDの強制発現により,vasa遺伝子の発現量が増加することを明らかにした。さらに,クロマチン免疫沈降法を用いてMZDがvasa遺伝子座のイントロン中の塩基配列と結合することを示した。また,MZD強制発現により,MZD結合部位において,転写の活性化に関わるヒストンH3の27番目のリシン残基のアセチル化修飾レベルが増加することを明らかにした。このヒストン修飾にはヒストンアセチル化酵素CBPが関与することが知られている。そこで,申請者はMZDとCBPの遺伝学的相互作用を解析し,MZDとCBPが共同して,vasa遺伝子の発現を活性化することを示した。これらの解析結果から,MZDがCBPをvasa遺伝子座に運び込み,ヒストン修飾を介して転写に適したクロマチン構造を形成し,遺伝子発現を活性化する機構を提唱した。さらに,申請者は,クロマチン構造の制御機構が生殖細胞の分化制御にも関わるのかを検証するために,成虫卵巣中の生殖細胞分化過程におけるヒストン修飾の状態と,その機能を解析した。その結果,生殖細胞の分化過程において,転写の伸長反応の促進に関わるヒストンH3の36番目のリシン残基のトリメチル化修飾レベルが高くなること,この修飾にヒストンメチル化酵素Set2が関与すること,さらに,この修飾が分化促進遺伝子orbの発現を活性化し,生殖細胞の分化を促進することを明らかにした。これらの研究結果から,生殖細胞中の遺伝子発現の活性化機構にヒストン修飾を介したクロマチン構造の制御が関与すること示した。}, school = {甲南大学}, title = {ショウジョウバエの生殖細胞中における遺伝子発現の活性化機構の解析}, year = {}, yomi = {ヒラ, セイジ} }