@phdthesis{oai:konan-u.repo.nii.ac.jp:00001552, author = {柴田, 三四郎 and Shibata, Sanshiro}, month = {2015-06-12, 2015-06-12}, note = {平成26年度(2014年度), ガンマ線バーストは約1051ergもの膨大なエネルギーがわずか10秒程度の間に主にガンマ線として放射されるという、宇宙でも最も活発な天体の一つである。数々の観測結果からこの現象はローレンツ因子が100を超えるような超相対論的なジェットと呼ばれるガスの流れに起因しているという事が分かっている。しかしながら、具体的な放射メカニズムについては未だ解明されていない。これまで相対論的ジェット中の内部衝撃波からのシンクロトロン放射が有力とされてきたものの、近年シンクロトロン放射では説明が困難な観測データが提出され、ガンマ線バーストの放射メカニズムの候補として超相対論的なジェットからの熱的な放射が注目されている。それを定量的に調べるには、複雑なジェットの内部構造とジェット中での熱的光子の輸送の両方を考慮に入れた計算が必要不可欠であるが、そのような計算は未だなされていなかった。特に熱的光子の輸送を計算する際には、それらがジェット中のどこで生成されたかを見積もる必要があり、その為に必要となる相対論的流体中での有効光学的深さに対する表式はこれまで得られていなかった。 本博士論文では、相対論的ビーミング効果や光学的深さの角度依存性等の相対論的効果を考慮に入れ相対論的流体中での光子のランダムウォーク過程を調べ、相対論的流体中での光子の散乱回数に対する解析的な式や、有効光学的深さに対する相対論的な解析的表式を導出した。その結果、有効光学的深さは、物質が静止しておりかつ散乱が支配的な場合には散乱に対する光学的深さと吸収に対する光学的深さの幾何平均となるが、相対論的流体中では吸収に対する光学的深さに比例するという事が分かった。また、求められた散乱回数に対する解析的な式とモンテカルロ法に基づいた光子の輸送計算との比較によって、解析的な式が正しく散乱回数を導くことを確認した。 更に、得られた解析的表式を流体力学計算により得られた相対論的ジェット中での光子輸送計算に実際に適用し、ガンマ線バーストを引き起こす相対論的ジェット中で熱的光子が生成される場所を見積もった。この結果を用いて、ガンマ線バーストジェット中での熱的光子の輸送に対する数値シミュレーションを行い、最終的に観測されるエネルギースペクトルを導出した。その結果、観測されるスペクトルは従来議論されているようなプランク分布ではなく、より幅の広いスペクトルとなり、経験的にガンマ線バーストのスペクトルを上手くフィット出来る事が知られているバンド関数として観測される可能性がある事が分かった。}, school = {甲南大学}, title = {Random Walks in Relativistic Flow and Its Application to Gamma-Ray Bursts}, year = {}, yomi = {シバタ, サンシロウ} }